玖珠町の蛍 (撮影編)

今年もやってまいりました、蛍の季節。素敵な写真を撮ろうと玖珠町の群生地をうろうろしてまいりました。蛍を美しく見栄えの良いように撮影するにはちょっとテクニックが必要です。私は、デジタルカメラで複数枚撮影し、Adobe Photoshopを使って、比較明合成という画像合成処理(画像の明るい部分のみを重ねる方法)で蛍の画像を作成しています。今回は、そのやり方を、撮影編と画像処理編の2編でご紹介いたします!

まずは、「 撮影編 」です。

蛍は、5月末から7月初旬まで20:00くらいから21:00ごろまで美しく光る姿を見ることができます。その時間を狙って撮影を行なっています。

蛍を観察する場合の注意点として、観察場所が河川や水路、土手や田んぼ付近で、しかも夜間で周りの状況が把握しづらい状況です。特にお子様をお連れになることもあろうかと思いますので、事故や転倒、転落などしないように、明るいうちに十分な下見を行なう方がよろしいかと思います。時には車も通りますので、反射ベルトや反射マーカーをして運転者から見えるような配慮も必要かと思います。

必要機材

  • 三脚
    • 長時間露光のため三脚は必須です。上にのせるカメラとのバランスを考慮して選ぶとよいと思います。
  • デジタルカメラ
    • 安価なカメラでも可能ですが、RAW画像での撮影が望ましいので、ワンランク上の機種が必要になろうかと思います。
  • レリーズ
    • カメラボディのシャッターボタンでは、ボタンを押す時にブレてしまうので、カメラに触れずにシャッターを押すことのできるパーツを利用すると安心です。最近では、スマートフォンのアプリを使って行なっています。
  • 懐中電灯やヘッドランプ(事故防止にも役立ちます)

デジタルカメラの設定

  • ISO:高い方が望ましい(私はISO3000以上に設定してます)
  • 絞り:開放(明るいレンズが望ましい)
  • 画像保存形式:RAWモードを使用(可能であれば)
    • 星空と違って、明るい光を撮りますので、RAWモードでなくても可能です
  • ピント:マニュアルモードを使用
    • オートモードであると、暗闇ではなかなかピントが合わずボケてしまいますので、薄暗いときにマニュアルでピントを合わせ、フォーカスリングが動いてしまわないために、テープなどで固定する方が望ましいです。暗くなってからでも木々の感じや蛍の光でピントを合わせることも可能です。
  • 露光時間:10秒から30秒(ヒストグラムを見ながら調整する)
    • 目安ですが、ヒストグラム表示で、ヒストグラムのピークが真ん中に来るように、ISO、絞り、シャッタースピードを設定します。慣れてくればそんなに難しくないです。
デジタルカメラのDisplay表示を
ヒストグラム表示にする
ヒストグラムのピークが中央になるように、
ISO、絞り、シャッタースピードを調整します

撮影された画像を見ると、昼間にような画像になっており、失敗じゃないかと思うかもしれませんが、それがとても重要で、後で行う画像調整によって暗くすることが可能です。むしろ、明るすぎるくらいの画像になっていないと、きれいな画像にはなりませんので、注意してください。

20:30頃 ISO6400、絞り開放(F2.8)、露光時間30秒の画像です。昼間のように明るいですよね。これが重要なんです。

構図について

私も試行錯誤しています。本撮影に入る前に数枚撮影し、構図を決めていますが、蛍がどのように飛ぶかわからないし。苦労しています。蛍が一部に偏って写っているよりも、全体に散りばめられている方が、美しいのではないかと、、、いつも思って撮影していますが、なかなかうまく行きません。夜空はあまり入らないようにした方がよいと思います。高感度の設定では、20:00とかでも昼間のように写るので(上の画像を参照)、後で行う画像処理が難しくなってきます。

撮影

カメラを三脚に固定し、設定を終え、構図を決めたら、撮影です。今回は、比較明合成という方法で画像処理して蛍の画像としますので、蛍が光っているところを逃さず10枚以上は枚撮影しましょう。

ここまでが、撮影するまでの手順となります。

次回は、画像処理編をまとめたいと思います。7月初旬まで観察できると思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。

構図が良くありませんが、しかも、ピントが合ってない!2021年6月9日の状況です。11枚の画像を重ねる処理をしています。